Minecraftサーバーの運営者なら、一度は「収益化って本当にダメなの?」と悩んだことがあるのではないでしょうか。
しかし、EULAと向き合い、その内容を理解していくうちに、実は適切な方法で収益化が可能だということがわかってきました。
この記事では、Minecraftサーバーの収益化に関する真相を、EULAを基準に丁寧に解説していきます。
サーバーへのアクセス料金、寄付の扱い方、ゲーム内通貨の取り扱いなど、具体的な収益化の方法とその注意点について詳しく説明していきますよ。
マイクラサーバーで少しでも収益を上げたい人は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。
そもそもエンドユーザーライセンス契約(EULA)とは?
まず最初に、エンドユーザーライセンス契約(EULA)とは何か、解説していきます。
エンドユーザーライセンス契約(EULA)は、ソフトウェアの世界で重要な役割を果たしています。
日本では、ソフトウェア利用許諾契約や利用許諾規約とも呼ばれるこの契約は、私たちエンドユーザーがソフトウェアを利用する際の条件を定めるものです。
一般的に「利用規約」として知られるこのルールは、ソフトウェアの使用に関する重要な取り決めを含んでいます。
EULAには主に以下の要素が含まれます。
- ソフトウェアの利用条件
- 使用制限
- 免責事項
- 著作権
- サポート情報
これらの条項は、ソフトウェアの適切な使用を保証するために設けられています。
EULAの有効期間と遵守義務
EULAは、契約締結から始まり、ライセンス条項違反による許諾取り消しまで有効です。
この期間中、ユーザーはソフトウェアを使用する際に常にこの契約を遵守しなければなりません。
契約違反は深刻な結果を招く可能性があるため、注意が必要です。
ソフトウェアの所有権について
ソフトウェアの利用者は、実は製品の所有権を持っていません。
無料のオンラインゲームも、買い切り型のゲームも、動画編集ソフトも、全て同じルールが適用されます。
エンドユーザーは、ソフトウェア開発者から利用許諾を得ているだけで、言わば「借りている」状態なのです。
このため、ライセンス条項で定められた範囲を超える使用には、事前に開発者の許可が必要となります。
プログラムとソースコードの知的財産権
プログラムやソースコードも、他の著作物と同様に知的財産権によって保護されています。
プログラムは、コンピューターに対する命令文(ソースコード)を集めて作られた一つの集合体です。
これらは以下のような形で保護されます。
- 特許申請による機能の独占(例:GMO社の離脱位置レコメンド)
- 個人や企業によるソースコードの著作権所有
プログラムの翻訳と逆翻訳
プログラムは、コンピューターで実行可能にするために「翻訳(コンパイル)」という処理が行われます。
これは人間が読めるプログラミング言語を、コンピューターが理解できる機械言語に変換する作業です。
しかし、この機械語に変換されたプログラムを人間が読める状態に戻す行為は、原則として禁止されています。
例外として認められるのは以下の場合です。
- 事前に許諾を得ている場合
- 研究・分析目的の場合
このような逆翻訳行為は以下のように呼ばれます。
- 逆翻訳(デコンパイル)
- 逆アセンブラ
これらの行為を総称して「リバースエンジニアリング」と呼びます。
これらの方法で改造・改変されたプログラムを第三者に配布すると、著作権侵害として刑事罰や民事罰の対象となる可能性があります。
Minecraftでは特定の条件を除いて商用はできない
MinecraftのEULAには、以下のようなソフトウェア利用条件が定められています。
ただし、当社が明確に同意している場合を除き、当社の著作物を頒布してはなりません。
「当社の著作物を頒布」とは、以下を意味します。
- 当社ゲームのソフトウェアまたはコンテンツの複製物を他者に提供する。
- 当社の著作物を商業目的で使用する。
- 当社の著作物から収益をあげようとする。または
- 他者が当社の著作物に不正または不当な方法でアクセスできるようにする。
なお、明確にするために確認すると、「ゲーム」、または「当社の著作物」には、本サービス、および将来公開する可能性のあるその他のゲームが含まれますが、これらに限定されません。ゲームの更新プログラム、パッチ、ダウンロード可能コンテンツ、マーケットプレイスのコンテンツ、アドオン、もしくは変更されたバージョン、またはこれらの一部、商品、オーディオビジュアル コンテンツ、またはその他の当社の著作物も含まれます。
https://www.minecraft.net/ja-jp/eula
当社が明確に同意している場合を除き、当社の著作物を頒布してはなりません。
「当社の著作物を頒布」とは、以下を意味します。
- 当社ゲームのソフトウェアまたはコンテンツの複製物を他者に提供する。
- 当社の著作物を商業目的で使用する。
- 当社の著作物から収益をあげようとする。または
- 他者が当社の著作物に不正または不当な方法でアクセスできるようにする。
なお、「ゲーム」や「当社の著作物」には、本サービスや将来公開される可能性のあるその他のゲーム、更新プログラム、パッチ、ダウンロード可能コンテンツ、マーケットプレイスのコンテンツ、アドオン、変更されたバージョン、商品、オーディオビジュアルコンテンツなども含まれます。
わかりやすく説明すると、以下の行為は禁止されています。
- リバースエンジニアリングによる「割れクライアント」の作成
- MineCraftブランドの無許可使用(グッズ制作・販売など)
- ゲーム映像のPPV(有料視聴)形式での販売
- Minecraftのコピーや改造クライアントの第三者への再配布
ただし、スクリーンショットやゲーム録画ビデオの使用、ホスティングサーバーでの商用利用については、Minecraft利用ガイドラインで規定されています。
共通ルール
Mojang もしくは Microsoft と関係している、またはそれらのサポートを受けているふりをしないこと、また以下のことを明確にすること。
https://www.minecraft.net/ja-jp/usage-guidelines
- 製品またはサービス (イベント、サーバー、書籍およびハンドクラフト商品を含みます) については、(当社ではなく) お客様が責任を負うこと。
- 出版社、製造者、売主、主催者および/または所有者の特定
- 製品、サービスまたは関連する購入についての連絡先、およびその連絡手段
(チャットおよびフォーラム リンクは認められません)
全てのプラットフォーム、業態において、以下の点を明確にする必要があります。
- Mojangもしくは Microsoftとの関係性がないこと
- 製品やサービスの責任はユーザーにあること
- 出版社、製造者、売主、主催者、所有者の明確な特定
- 製品、サービス、購入に関する連絡先情報の提供
Webサイトや動画には以下のような文言をフッター付近に記載することが必須です。
Minecraftの公式製品・サービス・イベントなどではありません。
MojangまたはMicrosoftから承認を受けておらず、それとの関連性もありません。
命名規則
Minecraftブランド名の使用には以下の規則があります。
- サービス名の先頭に「Minecraft」を使用することは禁止
- 説明として補足的に使用することは可能
例として紹介すると以下のとおりです。
- Minecraft ミニトマトサーバー:認められない
- ミニトマトサーバー経済とサバイバルのMinecraftサーバーです:認められる
- Minecraft サバイバル支援アプリ:認められない
- サバサポ Minecraftサバイバルモード支援アプリ:認められる
商用利用
Mojangは基本的に、Minecraftの名前、ブランド、アセットの商用利用を好ましく思っていません。
ただし、一定の制限内での商用利用は認められています。
特に、マルチプレイサーバーの収益化については、一部の禁止ルールを除いて許可されています。
それに関しては次のセクションで解説するよー!
サーバーおよびホスティングおける商用利用について
Minecraftの魅力の一つは、他のプレイヤーと一緒にプレイできることです。
Minecraft用のサーバーをホストする際、特定のガイドラインに従えば、アクセスに対して料金を課すことができます。
ここで「サーバー」とは、単一の接続アドレスまたはIP番号を指します。
サーバーへのアクセス
サーバーアクセスに関する重要なルールは以下の通りです。
- Minecraftの正規の有料バージョンを購入したユーザーにのみアクセス権を付与する必要があります。
- ゲーム外のコンテンツ、製品またはサービスの所有によってアクセスを制限することはできません。
- いわゆる「onlineモード」サーバーである必要があります。
収益化について「アクセス料金制」
サーバーへのアクセスに対して料金を請求する場合、以下の条件を満たす必要があります。
- サーバーへのアクセスに均一料金を請求すること
- 料金を支払った者が、サーバー上のすべてのMODにアクセスできること(管理ツールを除く)
- 料金請求期間中、サーバーを所有または制御し続けること
これは、例えばDQXのような利用券制やMODの有料化に似た仕組みと言えます。
収益化について「寄付の募集」
寄付に関しては、以下のルールが適用されます。
- 寄付者個人への特典提供は禁止されています
- 寄付目標達成時は、全プレイヤーへの報酬提供が可能です
- ゲームプレイに影響を与える資格の販売は、他プレイヤーへの悪影響や競争上の優位性がない場合に限り許可されます
- コスメティックアイテムの販売は、マントなどの視覚的機能を除いて可能です
- ゲーム内広告は、ゲームプレイを妨げず、競争上の優位性を与えない場合に提供可能です
要するに、不平等なPay to Winは禁止ってことですね。
収益化について「ゲーム内通貨」
ゲーム内仮想通貨の販売・使用には、以下の条件があります。
- 現実世界で価値を持たず、現金化や他サーバーへの移転ができないこと。
- Mojangからの発行や関連を装わないこと。
- Minecoinsなど既存の仮想通貨と類似しないこと。
注意点は以下の2つですね。
- Play to Earnは禁止されています。
- BungeeCordを通じた他サーバーへの通貨持ち出しは許可されません。
「Play to Earn(P2E)」とは、ゲームをプレイすることで報酬を得られる仕組みを指します。従来のゲームでは、プレイヤーがゲームを楽しむ対価としてお金を支払うのが一般的ですが、P2Eでは逆にプレイヤーがゲーム内で得た成果やアイテムを現実の通貨や価値に変換できるのが特徴です。
サーバーの公式サイトやブログでの広告
サーバーの公式サイトやブログでGoogle Adsenseなどの広告収益を得ることは可能です。
ただし、Minecraft著作物ガイドラインを遵守する必要があります。
また、サイトや動画には以下のような免責文を明示する必要があります。
Minecraftの公式製品・サービス・イベントなどではありません。
MojangまたはMicrosoftから承認を受けておらず、それとの関連性もありません。
これらのガイドラインを遵守することで、Minecraftサーバーの健全な運営と収益化が可能となります。
【まとめ】EULAに基づく適切な方法と事業化の可能性
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
この記事では、Minecraftサーバーの収益化に関するEULAの規定と適切な方法について解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- サーバーアクセスには均一料金を設定可能
- 寄付は全プレイヤーへの報酬提供が条件
- ゲーム内通貨は現実世界での価値を持たせない
- 公式サイトでの広告収益は可能だが、免責文の明示が必要
最も重要なポイントは、プレイヤー間の公平性を保ちつつ、サーバーの持続可能な運営を目指すことでした。
以上の収益化チャネルをうまく活用すれば、Minecraftマルチサーバーをビジネス(事業)として成り立たせることも可能かもしれません。
あなたも、これらのガイドラインを守りながら、魅力的で収益性のあるMinecraftサーバーを運営してみてください!
きっと、プレイヤーに喜ばれる素晴らしいサーバーになるだけでなく、持続可能なビジネスモデルを構築できるはずです。